夏鳥は繁殖に来てます

 春は鳥たち待ちかねた繁殖の季節を迎えます。水辺・里山でも留鳥の行動が盛んになりますが、遥か南の地域から日本各地に繁殖のためにやってくる夏鳥が楽しめる季節にもなります。5月の連休頃までには色んな夏鳥が来て繁殖期の行動や囀り合うシーンに出会う事ができます。
 田んぼを回ってみたり、里山近くの車が通れるような林道とかへ散策に出かけられ、夏鳥を探す1日も気持ち良い時間がもらえそうです。


夏鳥の一番はツバメです

 初夏を身近に感じれる昔から多くに知れ渡った鳥になりますが、近年は全国的に確認されている個体数の減少で、日本野鳥の会としても繁殖分布調査を実施しています。鹿児島県内でも住宅地周辺の田畑が減少し、以前のような子育ての様子を目にする機会は少なくなってきています。ツバメが毎年戻って来るような環境は残しておきたいものですネ。
 近年は住宅の壁材の変化により、泥を集めての巣作りに適さないことなども指摘され、ツバメにとってはちょっと辛い現実も今の日本にはあるのかとも想像していますが、毎年欠かさずやって来ることには違いないと思っています。
 身近でもっと出会いたい気持ちを強く感じます。そして、忙しく鳴きながら飛び交ったり、電線で羽休めをしている姿は、夏の日本の光景の一つに残しておきたいですね!


夏鳥を探しに里から山間

  まずは耳で初夏を感じられるのが、里山に響き渡るホトトギスの鳴き声です。大きな鳴き声で山間を移動しながら存在感を示していますが、ホトトギスの姿を見ることは少ないながらも、鳴き声で心地よい気持ちにさせてくれます。童謡「夏は来ぬ」で『卯の花のにおう垣根に、ほととぎす早も来啼きて、忍音もらす・・・・』の気分を感じさせてくれます。
 里山近くでなくても、山が近くにあるような住宅地では鳴き声を耳にしますので、初夏を楽しむ時間になりそうです。
 里山で川の支流になるような小川沿いを山の方へ進んで谷間になるようなところへ行くと、運が良ければオオルリ(右)の囀りに出会う事があります。鹿児島県内の多くの山間部の小川沿いの場所では、オオルリは数多くやってきていますから、初夏の爽やかな声と姿を見ることが可能だと思います。5月の連休頃からは繁殖も盛んになりますので、大きな声でよく鳴いてくれますし、小川・せせらぎ近くで子育てが始まり、姿も見れるタイミングもあります。心に染みわたる鳴き声はなんとも言えない心地良さをもらえる瞬間ですネ。
 また、谷間沿いで少し薄暗いような場所では、オオルリ以外にサンコウチョウ(左)の声や姿に出会えるチャンスも広がりそうですし、アカショウビンの声にドキッとする場面があるかもしれません。
 以前は鹿児島市・慈眼寺公園でもサンコウチョウ・アカショウビンは観察できましたが、周辺の住宅開発や田畑の減少の影響か近年では観察事例も途絶えてしまいました。サンコウチョウは民家の近くにやって来るとも言われ、馴染みのある鳥とされてきましたが、そんな環境をもう一度に戻したい気持ちになります。


田んぼや河口、水辺の光景は!

 繁殖期になると田んぼで餌探し集まるサギ類によく出会います。コサギ・アオサギ・ゴイサギ等々と一緒に夏鳥のアマサギの姿が目に飛び込んできます。名前のように婚姻色である頭部から胸・背中にかけての亜麻色が、野鳥観察者には初夏を感じれる色になっていますネ。
 田畑を耕すトラクターの後をつけて、掘り出された地中の虫を必死に探す光景や、稲の隙間をゆっくりと餌探しする姿、田んぼのレンゲの中や菜の花とのシーンも緑の中のワンカットになります。
 そんな亜麻色の婚姻色も秋にはなくなり、白一色に覆われる頃に南へ帰って行きます。

 そして次は葦原の広がる場所へ出かけてみましょう。『ギョン・ギョン・ギョン』とうるさい鳴き叫ぶ声がします。そうですオオヨシキリです。葦の根元付近から鳴きながら穂先の方へ登っていって、周り存在を知らしめるような大きな鳴き声は、風に揺れる葦原の主のようにも思えるます。元々葦の枝の重なる場所に営巣して子育てするため、葦原から移動する事の少ないのが観察するには好条件になり、幾度も通って観察し楽しむ事ができます。
 また、同じ場所にはセッカの鳴き声がすることがありますので、そちらも行動を楽しんでみるのも良いのでは。
 夏間近に緑の世界が広がる中で鳥の姿がマッチングしている場面は、初夏にもらえる最高の癒しになりそうです。