フィールドマナー「や・さ・し・い・き・も・ち」


(や):野外活動、無理なく楽しく

 自然は、人のためだけにあるのではありません。思わぬ危険が潜んでいるかもしれないのです。知識とゆとりを持って、安全に行動するようにしましょう。

(さ):採集は控えて、自然はそのままに

 自然は野鳥のすみかであり、多くの生物は彼らの食べ物でもあります。あるがままを見ることで、いままで気づかなかった世界が広がります。むやみに捕ることは慎みましょう(みんなで楽しむ探鳥会では、採集禁止が普通です)。

(し):静かに、そーっと

 野鳥など野生動物は人を恐れるものが多く、大きな音や動作を警戒します。静かにしていれば彼らを脅かさずにすみますし、小さな鳴き声や羽音など自然の音を楽しむこともできます。

(い):一本道、道からはずれないで

 危険を避けるため、自然を傷つけないため、田畑の所有者などそこにくらす人に迷惑をかけないためにも、道をはずれないようにしましょう。

(き):気をつけよう、写真、給餌、人への迷惑

 観察が野生生物や周囲の自然に悪影響を及ぼす場合もあるので、対象の生物や周囲の環境をよく理解した上で影響がないようつとめましょう。
 餌を与える行為も、カラスやハトのように人の生活と軋轢が生じている生物、生態系に影響を与えている移入種、水質悪化が指摘されている場所などでは控える必要があります。
 また、写真撮影や給餌、観察が地元の人や周囲の人に誤解やストレスを与える場合もあるので、十分な配慮をしましょう。

(も):持って帰ろう、思い出とゴミ

 ゴミは家まで持ち帰って処理しましょう。ビニールやプラスチックが鳥たちを死にいたらしめることがあります。また、お弁当の食べ残しなどが雑食性の生物を増やすことで、自然のバランスに悪影響を与えます。責任を持ってゴミを始末することは、誰でもできる自然保護活動です。

(ち):近づかないで、野鳥の巣

 子育ての季節、親鳥はとくに神経質になるものが多く、危険を感じたり、巣のまわりのようすが変化すると、巣を捨ててしまうことがあります。とくに、巣の近くでの撮影はヒナを死にいたらしめることもあるので、野鳥の習性を熟知していない場合は避けましょう。
 また、巣立ったばかりのヒナは迷子のように見えますが、親鳥が潜んでいることが多いので、間違えて拾ってこないようにしましょう。

 

野鳥観察・撮影のマナー・ガイドライン

 野鳥観察や野鳥撮影は、とても楽しく、誰でも気軽に楽しむことができます。一方で、野鳥の生態を知らないと、野鳥にストレスを与えたり、生息地を荒らしたりと、せっかく楽しませてもらう野鳥たちに迷惑をかけてしまうことになります。また、観察や撮影する人どうしのマナーや公園等を利用する一般の方への配慮が必要になります。
 デジタルカメラの普及にともない、アマチュアカメラマンが増加し、野鳥の観察や撮影のマナーを知らずに撮影を始める方も増加しました。加えて、SNSが急速に拡大したことにより、射幸心をあおるような写真が簡単に公開、拡散されるようになり、より良い写真を撮りたいと思うあまりに、マナーに反する行為をしてしまうケースもみられます。また、珍しい野鳥や希少種の写真が公開されると、その場所の情報が一気に拡散され、知れ渡り、多数の観察者や撮影者が押し寄せて、野鳥や地域住民に迷惑をかけることが増えてきました。


野鳥の観察・撮影について

① ストレスを与えないように野鳥と十分な距離を取るよう心がけましょう。
② 営巣中、育雛中の野鳥や巣へは近づかない、すみやかにその場を離れるようにしましょう。
③ 音声による誘引はしない、野鳥の鳴き声を流して野鳥を誘引することはやめましょう。
④ 餌付けによる誘引はしない、公園や河川敷等の公共の場、寺社境内等での餌づけによる誘引はやめましょう。
⑤ 撮影にフラッシュ・ストロボを使用しない。
⑥ 立ち入り禁止場所への侵入はしない、柵や囲いの中に入ることはマナー違反です。
⑦ 私有地や団体等の所有地、田んぼの畔(農道を含む)や山道等への侵入はしない。
⑧ 公園等公共の場でのマナー、園路や歩道を利用する方に配慮しましょう。
⑨ 駐車について、公道に自動車をとめる時は交通規則に従いましょう。
⑩ 他の観察者・撮影者へ配慮する。
⑪ 双眼鏡や望遠鏡、カメラを使うときにはプライバシーに配慮しましょう。


画像・映像・情報の公開について

① 営巣中等の写真や映像をSNSで公開しない。
② 写真コンテストへの応募はマナーを守った写真を!
③ 詳しい撮影地は公開しない。
④ 稀な渡り鳥等の画像や映像、情報は、鳥が撮影地からいなくなってから.。


その他にも気をつけたいこと

① 植生へのダメージ、足元の植生や環境の改変に注意しましょう。
② ウイルス(高病原性鳥インフルエンザや豚コレラ等)の拡散に気をつける。


詳しくは「日本野鳥の会・ガイドライン」で