巣箱を置いてみた

ごく普通の団地の中で

 3月13日でした。庭の方で激しく鳴いているヒヨドリ・スズメ・ヤマガラの声が聞こえる、何してる?と様子を見ると、ヒヨドリは数日前から黒くなったヤツデの実を食べにきていたが、ヤマガラやスズメが食べにきたと勘違いして追い払っているようだ。
 ヤマガラとスズメはヒヨドリは気にせずにお互いを牽制し合っている、原因は何か?というと・・・・・
 昨年11月にシジュウカラ観察目的で巣箱を作って置いてみた。鹿児島市内中心部に近い普通の団地で、巣箱を置いても無理だろうとは思ったのですが隣との生垣に置いたのでした。

 1週間ほど過ぎた頃、2羽のヤマガラがやって来ている、♂・♀の区別が付けにくいが行動からして活発な方が♂と決めることにした。♂は頻繁に巣箱の中に入っては出たり、巣箱の中に暫くいてから出て来たりと気に入った様子を見せるが、♀の方は巣箱の入口に足をかけて中を覗いたりして様子を伺うだけで巣の中までは入っていかない、「気に入らないのかな!」と思っていた。
 それから数週間はヤマガラの姿を見ることなかったので、巣箱での繁殖はないだろうと考え、庭の草もだいぶ伸びてきたこともあり2・3日かけて草取りを始める。

 とりあえず巣箱からは遠い方から始め3日目に巣箱の下に近づくと「ジー・ジー」「ジー・ジー」とヤマガラの声がする。どうやら私が邪魔のようで「あっちへ行け!!」と言っているようだ。ヤマガラの姿を確認するにも近すぎるので、怖がるといけないと思い目を合わさず・振り向かずにその場を立ち去ることにした。
 「どうも巣箱を使っているようだ」
 それなら様子を動画で残そうと思い、家の中からビデオでの撮影が始まった。

⚪︎—— 4月14日 ——⚪︎
 まだヒナは小さいのか1時間に4・5回程度、嘴に青虫のような幼虫を咥えて巣箱に入っていく、中に入ってもすぐに出てくるわけではなく、15分くらい中にいることもあり忙しい感じはしない。
⚪︎—— 4月17日 ——⚪︎
 まだまだ親鳥の行動にも余裕があり、ゆっくりと餌やりをしている感じだ。
⚪︎—— 4月18日 ——⚪︎
 昨日までとは違い大きめの餌を運んでいるように見える、巣箱の近くに来ても警戒して中へ入らない、近所のネコの鳴き声が気になるようだ。
⚪︎—— 4月22日 ——⚪︎
 数日たって様子を見ると以前よりは餌を巣箱に運ぶ回数が多くなった気がする。

⚪︎—— 4月24日 ——⚪︎
 忙しさが増してきている。ヒナも大きくなっているようだし、餌やりの後に巣箱の中から白いヒナのフンを運ぶ様子が見られるようになった。親は巣箱に入る前にしばらく鳴いてヒナに話しかけているようだ。
⚪︎—— 4月25日 ——⚪︎
 親の巣箱の出入りが多くなる、ほんと忙しそう!
⚪︎—— 4月26日 ——⚪︎
 巣箱に入る前に声をかけている回数が多くなった。巣立ちを誘っているように感じる、ヒナも巣箱の中から小さな声(ヒー・ヒー)で答えているのが聞こえる。
 親の鳴き方(ジ・ジ・ジ・ジー・ジー)
⚪︎—— 4月27日 ——⚪︎
 親の餌やり前の鳴き声が大きくなる。
 親の鳴き方(チ・ジー・ジー)

⚪︎—— 4月28日 ——⚪︎
 親の鳴き(話しかける)巣に入るまでの時間が2分くらいの時もあり、巣立ちの可能性が高くなってきた。夕方には電線の上から小刻みに羽をバタつかせる親鳥の姿を見るが、私に用事があり巣の様子を見ることはできなかった。
 親の鳴き方(チ・ジー・ジー・チッ・チッ)
⚪︎—— 4月29日 ——⚪︎
 朝から巣箱の周辺が静かだ。昨日の夕方にバタつく親鳥の姿は巣立ちだったようだ、見逃したことは残念ではあるが無事に巣立ったことには安堵した。猫が気になったのか巣箱から離れた場所へ移動したのかな?ヒナの姿を見ることはできなかった。

 住宅地で多少の庭がある家が周りに多かったこともよかったのか、巣箱を置いて私を楽しませてくれたヤマガラに感謝!
 100mくらいの場所には公園と緑地帯がある、その程度の場所でも十分な餌を確保できたことも嬉しいことです。
 巣箱を掃除して、来年に期待したいです。