サシバは鹿児島県本土では大隅半島を通るコースと薩摩半島を通る2つのコースがありますが、大隅半島を通過するサシバは日本国内で夏に繁殖したサシバの南への移動コースであると考えられています。鹿児島県内でも数多くのサシバの繁殖が確認されていますが、それらは薩摩半島コースの可能性が高いようです。
 サシバの繁殖場所は日本・朝鮮半島・中国東北部・ロシア南部とされていますが、日本国内では北海道・青森県の一部を除く全国で繁殖が確認されています。サシバが秋に南へ向かうコースは、主に四国地方を右から左に移動して高知県の宿毛市西部から九州に渡ることが確認されており、大分県と宮崎県の県境の蒲江市付近に渡り、その後宮崎県を南下して都城市金御岳を通過、そして佐多岬を目指すコースになります。

秋のサシバの羽数調査

2024年 大隅広域公園にて観察

  調査結果 観察総数 28,079羽
9月24日0晴れ
9月25日0ほぼ晴れ
9月26日174晴れ
9月27日1,71快晴
9月28日312曇り
9月29日1,246快晴
9月30日512快晴
10月1日298快晴
10月2日2曇・霧雨
10月3日15曇時々雨
10月4日0
10月5日2,979晴れ
10月6日151晴れ
10月7日869快晴
10月8日7,568曇り
10月9日3,162快晴
10月10日2,720快晴
10月11日3,440曇時々晴
10月12日2,255快晴
10月13日1,305快晴
10月14日0霧雨
10月15日0曇り
10月16日0曇り

2023年 大隅広域公園にて観察

 今期は観察期間を長く設定できたことと、上空を通過して渡る個体が多かったことで、ここ数年で一番多い1万8千を超える羽数をカウントすることができました。

・調査開始から9月22日まで、南からの温かい風の影響で、午前6時の気温は連日23℃を超え、昼間は夏日が続きました。23日からは北の風が入り始め、天気は下り坂、25、26は雨模様となりました。

・サシバ初認は27日、以降は連日北よりの風が続き朝の気温も20℃を切るようになって、渡りの羽数も増えていき、特に雨となった日の翌日、翌々日の羽数は大きく増加する傾向が見えるようです。

・今年のピークは10月3日から7日まで、その後10日から12日が次のピークとなりました。
 まとまって渡る時刻は、晴または晴天の日は6時半から8時頃にピークを迎え、曇の日は午前中だらだらと続く傾向があるようでした。

・コースは、都城金御岳から南下していることが、羽数の推移から読み取れると思います。
 また、雨模様の翌日は金御岳と鹿屋の中間あたりで中休みしていた個体群がまとまって南下することで、数が増えることが考えられます。

  調査結果 観察総数 18,254羽
9月14日0累計 
9月15日00
9月16日00
9月17日00
9月18日00
9月19日00
9月20日00
9月21日00
9月22日00
9月23日00
9月24日00
9月25日00
9月26日00
9月27日4949
9月28日405454
9月29日207661
9月30日250911
10月1日10921
10月2日9811,902
10月3日2,4624,364
10月4日04,364
10月5日2,4756,839
10月6日5,03411,873
10月7日1,27813,151
10月8日013,151
10月9日4113,192
10月10日2,01415,206
10月11日24015,446
10月12日1,77417,220
10月13日017,220
10月14日017,220
10月15日71317,933
10月16日32118,254

2021年 大隅広域公園と金峰山で観察

 例年の大隅広域公園に加え、薩摩半島金峰山の観察結果も揃いました。
 それぞれ渡るルートが違うので、観察日ごとの出現数に違いが出ました。
大隅広域公園
9月25日620
9月26日902
9月27日1,035
10月2日1,296
10月3日1,344
10月4日1,123
10月5日2,157
10月6日1,417
10月7日20
10月8日159
10月9日80
  
観察数 累計10,153
金峰山
10月5日152
10月6日244
10月7日261
10月8日138
10月9日60
10月10日854
10月11日398
10月12日291
10月13日47
10月14日164
10月15日919
10月16日248
10月17日3
10月18日7
10月19日4
  
観察数 累計3,790