2024年
1月〜4月

県立吉野公園(鹿児島市)  2024年4月14日(日) 出現種:20種

 曇りや雨の毎日が2週間近く続いていましたが、久しぶりに朝から快晴、鳥の観察には最高のコンディションで27名の参加がありました。いつものコースでスタートしましたが、広いグランドでは少年ソフトボール大会があり多くの選手や家族がグランドの周りを囲み、野鳥探しもうまくできず数多くいたカワラヒワの観察からのスタートです。
 グランド脇の遊具の近くではシジュウカラが桜の木を飛び回り、皆さん肉眼で観察できるほどの距離で楽しんでいる時、先頭の数名の方がオオルリを見つけ確認するがすぐに飛ばれて残念!全員は見れず、その後はシロハラやビンズイにコゲラなど次々に登場し参加者を楽しませてくれました。

石橋記念公園(鹿児島市) 2025年4月7日(日) 出現種:19種

 天候を気にしながら、やや急ぎ足で回った探鳥会でした。幸い最後まで雨は降らず、無事に新年度最初の探鳥会を開催できました。
 今年も桜はほころび始めたころ合いでしたが、まだ冬鳥のシロハラ、ビンズイ、ヒドリガモがわずかに見られました。河口左岸からの観察で、アオサギが桜島に渡っていく姿が見られましたが、堤防にはカモメやサギ類の姿もなく風も強かったため、右岸での観察は回避しました。
 この日カワラヒワがとてもたくさん飛び回っており、ゆっくりと見られました。イソヒヨドリのさえずりも、最後にじっくり観察でき、スコープがとても役立った探鳥会でした。

奄美自然観察の森(大島郡龍郷町)  2024年3月24日(日) 出現種:17種

 名瀬から北東に車で約40分。「奄美自然観察の森」は標高260m、龍郷の山の上にあります。道路沿いの桜は枝先に無数の赤い実をつけています。ズアカアオバトはこのサクランボが大好物、ついばんでいる姿を何回か見かけながら、駐車場に到着しました。
 ここから、森の広場に入ると、もうアカヒゲの声が聞こえてきます。初めて聞く高い鳴き声をたよりにワクワクしながら探すと、ほの暗い石段のあたりに赤い姿を見つけることができました。
 そして、うっそうとした森の中を通る園路を抜け、公園の一番高いところに設けられた木造の展望台「ドラゴン砦」に登ると奄美大島の森がパノラマで広がっていました。その向こうにはコバルト色の海。

 風景に見とれながらも、新緑の木々の間を行ったり来たりするルリカケスや春の渡りにそなえるサシバをしばし観察。
 引き返して広場に戻ると、30mほど先の大木の幹に、開けた穴に首を突っ込むオーストンオオアカゲラの渋い姿を見ることができました。
 鳥合わせを終え、リーダーの恵沢さんが準備された鳥探しゲームで、おとなげなくも一等賞を取り、手作りのお菓子をゲットしました。
 奄美の森が一番美しく輝く時期に、初めて見る鳥たちを堪能した探鳥会でした。

万之瀬川河口域(南さつま市) 2024年3月17日(日)

〜〜〜万之瀬川河口域は降雨のため中止しました。〜〜〜

平川動物公園(鹿児島市)  2024年3月10日(日) 出現種:21種

 始まる前は少し寒いでしたけれど周りの森の山桜は満開となり、春真っただ中の大晴天の探鳥会でした。動物公園の落合氏の野鳥のみならずの動物のお話にいつもながら盛り上がりました。動物園で飼っている鳥たちの由来は興味深く、順路を少しそれてのマニアックなコースは思いのほか多くの小鳥の声が響き、今年はなかなかお目にかかれなかったジョウビタキやシロハラに出会えたほか、初認のイワツバメ、ヤブサメに喜びました。
 定番のツルコーナーでは、出水では遠くからしか見られないツル達を目の前で見られるほか世界のツルのお話は楽しいものでした。目の前に実物がいるのですから説得力あります。
 最後は学習館で鳥合わせでした。こちらには動物の本や資料が整っていて、同行の家内は動物園で刈った羊の毛で作られたフェルト生地でブローチづくりをしました。帰りにレストランで昼食もすませ動物園を満喫した時間となりました。

慈眼寺公園(鹿児島市)  2024年3月3日(日) 出現種:16種

 当日の朝の最低気温が2.1℃で、皆さん相当な防寒着準備で参加されました。寒さのため参加者数が心配でしたが、抜けるような青空に風も弱く絶好の観察日和になり、30名を超える方々が集まってくださいました。ありがとうございました。
 スタート前に今季は冬鳥の小鳥が少なく、姿を見る機会が極端に減っている話・状況を参加者にお話し「今日はどうなるか・・・?」と思いながらコースへ向かいました。
 ネモフィラ畑を周回する間はシロハラとメジロ数羽を確認、考古歴史館を周る坂道で冬鳥のジョウビタキ・アオジ・シロハラの登場があり、なんとか冬鳥を皆さんで楽しむことができました。
 その後、谷山神社からの下る道の終わりの方で、大サービスをしてくれた冬鳥が出現しました。それはチョウゲンボウの登場で、道路脇の楠木の天辺でジーッと動かずに参加者のカメラや双眼鏡の被写体になり、飛び去ることもなく別の電柱に止まったり、木に止まったりと参加者の周りから離れず10分以上も楽しませてくれました。
 最後に「とりあわせ」とジョウビタキの名前の由来と意味について、「ジョウ(尉)」「ヒタキ(火焚き)」である事をお話しして探鳥会を終わりました。

和田井堰公演(鹿屋市) 2024年2月18日(日)

 鹿屋市の天気は快晴、気温10℃、風も穏やかで、冬の終わりにしては暖かい朝でした。ジャンパーを羽織って行こうか、置いていこうかと迷うほどの陽気となりました。
 今回のテーマを「北帰行を始める前のこの時期、カモの仲間をじっくり観察して特徴をとらえてみよう。」とし、資料を用意して皆さんに配布しました。初めて参加される方もベテランの方も楽しめるように観て歩きたいと思います。コースの見どころを簡単に説明したあと、出発しました。
 残念なことに駐車場下の親水池には、外来種のウォーターレタス(ボタンウキクサ)が水面全体に繁殖して、いつも来ているカモ類もサギ類もおりられない状態でした。しかし、そのさきの葦の茂みにアオジが姿を見せてくれました。
 シラス崖下のほたる水辺周囲の木立で、この探鳥地で初認となるシジュウカラを初参加の小学3年生陶山君が見つけてくれました。楽しみな仲間がまた一人増えましたよ。
 川表を順光で観察できるよう肝属川左岸を上流に歩くと、カモ類が何種類かいて、それらのカモの特徴や雄雌の違いを観察できました。また、カワウの冬羽から夏羽への移行と、集団で狩りをするようすも楽しめました。王子橋上流の護岸にはカワセミがじっととまっていてくれて、下嘴の色の違いで雌雄が判ることを説明しました。
 王子橋を渡り、右岸堤防の遊歩道を復路とし下流に向かいます。イソシギやクサシギ、ミサゴも現れて皆さん春を迎える川沿いを楽しんでおられたようです。
 鳥合わせで出現鳥種数当てゲームをして笑ったあとで、探鳥会を終了しました。

川内川中流(さつま町) 2024年2月11日(日) 出現種:38種

 「さかしまに 落ちつとみれば ほがらかに 轟の早瀬 我舟すべる」とどろ大橋を基点とする本探鳥地は、上流の曾木の滝に次ぐ名勝地です。順路の河畔、虎居地区には昭和4(1929)年この地を訪れた歌人、与謝野夫妻の歌碑が刻まれており上の短歌は、夫の寛氏が詠んだものです。
 当日は微妙な天気予報の中で始まりましたが、集合時は雲間から太陽がまだ顔を覗かせていたものの、フィールドに出る時点では雨が降り出し、雨具を準備する羽目になって、30名を超える参加者や自宅を早く出られた方々のことを考えつつ又、雨雲レーダーとにらめっこしながら「泣こよか、ひっ飛べ」の心境で決行としました。
 キンクロハジロは今年も少なく、ようやく10羽をカウント。今年も蛍が少ないことが予想されるとして、鶴田ダム下流の蛍船の欠航が決まったニュースが配信されて、100羽を超えるキンクロハジロが3.4年前から極端に減少したこと、とは因果関係があるように思えます。
 カモ類が少ない中で、右岸の河川敷に上がって草の新芽をついばんでいたと思われるヒドリガモが、ジョギング中の女性が近づいたことに驚いて、約100羽の群れが一斉に飛び立って川に移動。
 その様子を左岸からウオッチして、しばし見とれていると次にツバメの群れが飛来して飛び交うさまを、一生懸命に観察しておられる参加者の姿が印象的でした。会の後半、歌碑の辺りより再び小雨が降り出したものの、何とか無事に終えることが、かないました。

石橋記念公園(鹿児島市) 2024年2月4日(日) 出現種:25種

 このところまるで梅雨時のような雨降りの天気が続いています。今日もどうなることやらと思っていたら、何とか曇り空で持ちこたえることができました。
 最初に水場でハクセキレイとキセキレイが出現。その後芝生上にビンズイが4羽。いつもは松の木の上とか松の木の下の暗い所とかわかりにくい所に出るのですが、今日はサービス満点。長い時間楽しませてくれました。
 橋の上に差し掛かるとヒドリガモが泳いでいるのが見え、全部で15羽を確認。群れの中で小競り合いも起きていて、眺めていても退屈しませんでした。しかしカモ類はヒドリガモだけで、カルガモもマガモも姿を見ません。

 また、この冬鹿児島県全体に言える事ですが、小鳥の飛来数、飛来種類ともにやたら少なく、この日はなんと留鳥のスズメとカワラヒワすら出現しませんでした。その後海辺で遠くを飛ぶセグロカモメ、ウミネコ、カワウを確認し、この日の探鳥会を終えました。

住吉池(姶良市) 2024年1月14日(日) 出現種:27種

 令和6年、年初めの探鳥会は昨年同様に天気に恵まれて、誘われるように参加者は昨年のほぼ倍数、39名もの予想外の参加者があり、新年の挨拶で始めました。
 住吉池について、直径は550m・周囲3.2km・最大水深55mで、その昔この池あたりは海岸であったために、今から約8200年前に、海水流入よる水蒸気爆発が発生してマール(火口)が形成され火口湖になり、現在に至っています。
 同じく池の西方約2.5km、蒲生の町すぐ北側にも、米丸マールがあり、ここは住吉池より4~5倍の面積を有し見事な円形の水田が広がっています。

 また、池の入り口近くの水田付近で2.3年前まで発掘調査(前田遺跡)をやっていましたが、その展示会が先月、同市の歴史資料館で開催されました。縄文時代中期4500年前の県内で初めて出土した編み籠や食料の、どんぐり(イチイガシ)がその当時のままに近い状態で発掘され、展示されていました。展示会に私も出向いて興味深く見入り、この地の自然・歴史に思いを馳せることでした。
 探鳥会前日夕方、地元姶良市の生駒さんから県運転免許試験場近くの松原海岸の養殖池に、ミコアイサ(神子秋沙)5羽を確認した旨、写真入りでビッグなメールが到着。昨年11月大浦海岸で、メス1羽の記録などこれまで数件の情報しかなく、5羽は初記録ではないかと思います。
 当日、会の初めに本人に池への道程や、状況等を報告してもらい探鳥会に入りました。池の南側展望所へ移動して湖面や上空にクマタカ(昨年3羽確認)の出現を期待しつつ、空を見上げたりしていると、生駒さんの奥様より「これメジロガモでは?」の声が耳に入り、550m先の対岸の一羽に注目されたようで、参加者の双眼鏡・望遠鏡が一斉にサーチをはじめ、他の方々も目につかれ「おー、メジロガモだ」の声が上がり、昨年の初記録に続き2年連続の出現となりました。それにしても奥様の眼力と識別力に感服です。池の主役、オシドリは30羽を確認したものの、最盛期の2014年は278羽も出現しており、ここ5年低調に推移しています。オシドリにとって環境の変化が生じているのでしょうか。今年も住吉池より、メジロガモ出現とミコアイサ(パンダガモ)情報のお年玉プレゼントを頂きました。

慈眼寺公園(鹿児島市) 2024年1月7日(日) 出現種:16種

 新年初めての探鳥会を、今年も担当させていただきました。昨年は元日探鳥会であったためかなり参加者は少なめでしたが、今年はたくさんの方にご参加いただきました。初バードウォッチングと言う方もおられ、大いに感想などを話し合う賑やかに開催できた探鳥会となりました。今回もやはり日にちが七草に重なってしまい、谷山神社が大変な人出でありました。そのため谷山神社を回避し、ふるさと考古歴史館周囲を一回りするコースとしました。

 最初にコスモス畑奥の駐車場付近で、ノスリと思われるタカの姿を見ましたが、特定はできませんでした。谷山神社裏の広場で小鳥の混群と出会い、しばらく様子を堪能させてもらいました。シロハラは何度か姿を見せましたが、アオジやジョウビタキなど冬に出会う鳥たちを、あまり見かけることは出来ませんでした。最後の歴史館前の広場で、カワラヒワが枝にとまってじっくり観察させてくれました。お天気にも恵まれ、年の始まりに楽しい探鳥会でした。