2023年
6月〜12月

八房川河口域(いちき串木野市) 2023年12月10日(日) 出現数:30種

 2023年最後の探鳥会は、天気に恵まれ本格的な冬が到来する24節季の「大雪」の時季にも関わらず、20℃を上回る予報での開催となりました。
 国道3号八房橋を渡って串木野側の堤防に着く頃には、上着を脱ぐほどの汗ばむ陽気になりましたが、その逆の日和が1か月前11月12日の姶良市須崎海岸でした。あの日は北風強く寒くて、会を早く切り上げて帰りたいと思ったことが蘇りました。
 また、例年お盆過ぎになると鶯が、ホーホケキョと囀をしなくなりますが今年は一旦、地鳴きをしていたのに再び先日まで囀っていましたので気候変動による温暖化を実感した一年でもありました。
 当日、八房川河口は干潮の時間帯で干潟が程よく形成されていて、クロツラヘラサギが過去最多の5羽、 この地で初認のヘラサギ1羽がまず目に留まり昨年、S-06の足環を装着した個体について今年は万之瀬河口で越冬していますと、記録係の新屋さんより報告がありました。
 昨年、市来浜でしか観られなかった、シロチドリ・ハマシギは本年は干潟で間近に可愛い様子が見られまた、串木野側のレンコン水田では、タシギ10羽を時間をかけて観察したことで、市来浜まで歩かなくても河口付近で、2時間充分に楽しんでもらえたものと想います。
 こうして本年の探鳥会を無事にすべて終えましたが、終了後は集合場所に隣接している、市来えびす市場・食堂で買い物や海鮮昼食を召し上がられた方、又、河口直ぐ上流にある「まぐろの館」へ行かれた方もありました。みな様、お疲れさまでした。

石橋記念公園(鹿児島市) 2023年12月03日(日) 出現数:19種

 かごしま環境未来館との協働事業であるこの探鳥会を、2年ぶりに担当させていただきました。今年も穏やかな天候に恵まれ、12月としては過ごしやすい日であったと思います。カワラヒワの群れがにぎやかに飛び交い、ハクセキレイ・キセキレイ・ヒドリガモもいつもの姿で公園の中を冬らしく行きかっていました。ビンズイやイソヒヨドリも長く同じ場所にとどまり、ゆっくり観察することができました。
 残念ながらこの日はカラ類やカワセミの姿を見ることは出来ませんでしたが、それでも鳥たちの姿をじっくり観察できる良い場所であると改めて感じました。最後に鳥合わせで、ビンズイとタヒバリの違いについてお話ししました。この機会で多くの方へ、鳥の識別の楽しさが少しでも伝わればと思います。

須崎調整池(姶良市) 2023年11月12日(日) 出現数:33種

 3日前行った事前調査では水位が高く、カモがいるぐらいでクロツラヘラサギもいなくて心配していましたが、当日は浅い水位でシギやクロツラヘラサギもいてホッとしました。ただ風もあってやや寒い探鳥会となりました。
 この探鳥会は移動のない定点観測で、なおかつ慣れているのか野鳥も大きな音などあまり刺激しなければ逃げることがない初心者でも大変観測がしやすいのが売りです。
 始まった直後いきなりカワウの大群が鹿児島市側の上空に現れたと思ったら、いきなりなだれ込むように調整池に飛び込んできました。その後魚を群れで追い込んでいるのか、池の中をあっちこっちに移動しながら(その度にカモの群れが慌てるように逃げていました)魚を捕まえて飲み込む様子が肉眼でも確認できました。
 クロツラヘラサギのなかにヘラサギを2羽確認後、足環がある個体がいるという報告があり、スコープで確認したらK79でした。
 会の実施中BGMのようにカルガモの鳴き声がずっと響き渡っていましたが、そのほかにもマガモ、コガモ、キンクロハジロ、ハシビロガモがすぐに観測できました。またサブリーダーがキンクロの中にスズガモのメスを見つけてくれました。残念ながらヒドリガモやホシハジロは調整池や海側にも確認できませんでした。
 会の途中、サギについて池の中にいるのがダイサギなのかチュウダイサギなのか議論になりました。何冊か参考本を比較しながら話し合ったのですが、嘴が全て黄色、足が全て黒っぽいので亜種であるチュウダイサギであろうとの結論に達しました。
 その他にもいつもの場所にとまって鮮やかな青を魅せてくれたカワセミや何度も上空を通り過ぎたミサゴ、ちょこちょことせわしなく餌を探すアオアシシギ等じっくり野鳥の姿が観ることができました。
 ただ、会員の方との話の中で、以前は池を覆い尽くすような数のカモがいたのに、年々減ってきているのが少し懸念されます。

慈眼寺公園(鹿児島市) 2023年11月05日(日) 出現数:15種

 天気は申し分無し。しかし、まだ冬鳥の到来が少数で、この時期にしてはやや寂しい探鳥会でした。11月だというのに夏日が続き、これでは北から南下してくる鳥達も「もうちょっと寒くなってから旅立つか」と考えてしまうのも無理もない。
 このような急激な温暖化が鳥達の生活にどのような影響を与えるのか、甚だ心配ではあります。9月に史上初の零敗(確認数0)を喫したヒヨドリは何とか7羽。
 それでも従来に比べて少ない感あり。この日唯一の冬鳥は、暗がりで柵の上に止まっていたシロハラ。これから温度が低くなってくると、落ち葉をガサゴソとひっくり返す姿があちこちで見られるでしょう。
 遅ればせながら丁度心地よい気候になってきたものの、本当に冬が短くなったのを実感する探鳥会でした

クレインパークいずみ(出水市) 2023年10月29日(日) 出現数:31種

 鳥インフルエンザを警戒して昨年より3週間程を前倒しして開催しました。

ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、カイツブリ、 キジバト、カワウ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオアシシギ、ミサゴ、トビ、ハイタカ、カワセミ、モズ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒバリ、ショウドウツバメ、ツバメ、ヒヨドリ、ノビタキ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ムネアカタヒバリ、カワラヒワ<

脇本海岸(阿久根市) 2023年10月22日(日) 出現数:22種

 NPO法人「脇本海岸ウミガメ・シロチドリの会」の保護活動が響働(コラボ)して、阿久根市の脇本海岸で初めての探鳥会が共同開催されました。
 大川内理事長をはじめ地元の方々の海岸に対する想いと、海の透明さと空の青さが重なり合っているように感じました。

大隅広域公園(鹿屋市) 2023年10月9日(祝) 出現数:18種

 昨日から降り続いていた雨は、明け方にはほぼあがっており、休憩所を拠点としての観察なので、参加される方を待って、開始時間を30分遅くして実施しました。
 雨のおかげで、濡れた羽根が乾くのを待っているのか、それとも上昇気流を待っているのか、サシバが公園を囲む杉のてっぺんに10羽以上とまっているのをじっくり観察できました。
 また、半ばあきらめていたサシバの飛翔でしたが、厚い雲の下を細かく羽ばたきながら渡っていく姿を見送ることができたのです。そして今回は、県立博物館からサシバ、トビ、ハシブトガラス、アオゲラの剥製をお借りして会場に展示し、参加者に大きさの違いや特徴などを実物で見比べながら、説明やクイズの種に使ってみました。
 公園からは、受付をお引き受けいいただいたうえに、双眼鏡、フィールドスコープの貸し出しの提供をいただきました。ありがとうございました。

金峰山サシバ(南さつま市)2023年10月8日(日)

 降雨のためイベントは中止いたしました。

石橋記念公園(鹿児島市) 2023年10月1日(日) 出現数:14種

 早朝より雨が強かったり弱まったりと不安定な状況でしたが、8時30分の開始時点で「今後に雨は強くなる事はない」と判断、予定通りにイベントをスタートしました。西田橋先の稲荷川にはコサギがジーッと動かずにたたずみ、木の影にはなっていましたが十分にその姿を観察し、芝生の広がる場所ではモズの高鳴きが始まり、参加者一同に秋になったことを告げているようで街中の公園でも楽しめた。
 そんな話をしていると海の方からミサゴが登場、ここではよく現れてくれますが、今回は参加者の頭上(低い上空)を山手の方へ飛んでいき、肉眼でも十分なほどしっかり観察できた。
 雨も止み、海の広がる場所へ移動したが、当日は満潮時間と重なり干潟でよく見かけるイソシギも対岸の芝生の上で休憩中、また曇り空で海上の様子は確認できず、「鳥あわせ」で14種を確認して終わりました。

金峰山アカハラダカ(南さつま市) 2023年9月10日(日) 出現数:13種

 4年ぶりに金峰山でアカハラダカ探鳥会を開催することができました。アカハラダカ探鳥会は天気が良いか悪いかが一番の心配事です。この日の金峰山は青空で天候の心配はなさそうでした。
 9月になって数回、金峰山に登って下調べをしました。アカハラダカは1羽も確認することはできませんでした。
 長崎県対馬の内山峠が秋のアカハラダカ渡りの最初の観察地点です。そこで熱心に観察を続けている方のHPを見ても8日までは1,000羽ほどで9日に15,630羽が記録されていました。

 果たして金峰山探鳥会でアカハラダカを確認できるかと心配しながらの探鳥会でしたが、探鳥会の開催行事も終わらないうちにアカハラダカが飛来しました。
 開催行事は一時中断して参加者全員で観察しました。9時5分に41羽確認しました。その後もアカハラダカは飛来して9時25分には200+、9時42分には100+を確認しました。最終的には580+のアカハラダカを確認しました。
 アカハラダカのほかにはカワラヒワやヒヨドリなどを観察できました。天気も良くてアカハラダカの渡りも観察できて楽しい探鳥会になりました。

慈眼寺公園(鹿児島市) 2023年9月3日(日) 出現数:13種

 酷暑が続いています。9月上旬は明らかにまだ真夏です。気の早い秋の渡り鳥もまだやって来ない中、13種見つけるのがやっとでした。
 特に慈眼寺での探鳥会、今回で322回目にして初の珍事が!前回までの321回全てで登場していたヒヨドリがなんと全く見れず。途中から「おかしいなあ」と気にはしていたのですが、最後まで声も聞こえませんでした。ここにヒヨドリの連続出場記録はあえなく321回で途切れたのでありました。
 本人もさぞや無念だったでしょう(多分)。参加した皆さん、暑い中お疲れ様でした。
 ところで、今年は私の感覚としては鳥の少ない年と思えるのですが、気になるのは本来鹿児島では8月には通常いないはずの冬鳥がすでに見られていること。
 具体的にはオオタカ、クロツラヘラサギ、ヘラサギ、マガモ、ハシビロガモ等。これら全て霧島市・姶良市方面での記録です。5種類もとなると何か原因があるのかなーと考えてしまいます。色々と推理するのもこの趣味の楽しみの一つですね。

安西英明氏を迎えて石橋記念公園 2023年8月6日(日) 出現数:12種

***石橋記念公園バードウォッチング***
 安西英明氏をお迎えして8月6日(日)に台風6号接近中ではありましたが、約50名の参加者とバードウォッチングを楽しみました。
 日本野鳥の会でNo. 1の知識を持たれる安西氏の野鳥観察は、野鳥の成長過程での幼鳥・若鳥・親鳥の見分け方を石橋記念公園にいたハクセキレイやキジバトで詳しく説明されたり、さえずりと鳴き声の違いをユーモアに飛んだ説明(シャレも加えて)で、参加者も笑いながらの楽しい・楽しい観察をされてました。
 参加者へのサービスに徹し、その中で細かな説明を取り入れる素晴らしいバードウォッチングの楽しみ方を教えてもらった時間でした。

***創立50周年記念講演***
 バードウォッチングに続いて、近くの福祉コミュニティーセンターへ移動し、「いつでもどこでもバードウォッチング」と題した特別記念講演を開催しました。約70名の参加者が集まり安西英明氏による野鳥観察の楽しみ方や野鳥の進化の過程での解説がありました。
 野鳥の分類では、○○目○○科は野鳥そのものの進化の基に分類されており、近年では遺伝子レベルでの解析の結果「目」と「科」の分類変更があるようで、興味深いお話をしていただきました。
 例えば、水辺(川や池)でよく見かけるカイツブリは、フラミンゴに近い関係性がわかったり、進化の過程が全く違うアマツバメ目とスズメ目ツバメ科は似た様な餌取りや巣作り子育てをしていても、違う別の目に属することも詳しい説明がありました。
 幅広い知識と専門的研究は、私たちに新たな発見を教えてもらった素晴らしい講演でした。
 ありがとうございました(一同)

慈眼寺公園(鹿児島市) 2023年7月2日(日)

 雨は上がりましたが谷山神社への登り坂が、苔やノリが張り付き足下の懸念があるため、中止いたしました。

天降川(霧島市) 2023年6月11日(日)

 降雨のため開催を中止いたしました。

石橋記念公園(鹿児島市) 2023年6月4日(日) 出現数:20種

 梅雨の合間の晴れ間に恵まれた6月の探鳥会。コロナ禍以降初めて探鳥会に参加した私がリーダーを務めても良いのだろうかと思いながらも案内させていただきました。
 天気にも恵まれたため多くの方に参加していただき賑やかな探鳥会となりました。
 河川ではカワセミが岸辺の木に止まり参加者の多くが観察することができ、非常に盛り上がりました。初参加の子供たちにもスコープで見せることができたのも良かったのではないでしょうか?スコープ持参の会員の方ありがとうございました。
 また、公園奥ではハクセキレイを観察することができました。
 季節柄今の時期に観察することはあまりないのですが、幼鳥も観察できたことから公園内で繁殖をしているのだろうと思います。
 また終盤にも餌をもって排水口に入っていくシジュウカラが観察されたので子育て期間の観察は繁殖の妨げにならないようにしなければと改めて考えさせられました。
 終盤にはエナガの群れなども観察でき初夏の探鳥会にしてはマズマズの種数を観察できたのではないでしょうか?
 至らぬ点も多かったと思いますが、今後も会員でサポートしあいながら探鳥会が盛り上がることを願っています。